ワークショップメンバーのハトケンです。
9月、まだまだ暑い中、音&土工房(ねんどこうぼう)さんで、ろくろと絵付けの体験をしてきました。
小学生の頃に一度だけ絵付けをしたことがあるものの、大学生になった今ではすっかり久しぶり。懐かしさと少しの緊張を抱えながら工房の扉を開きました。

■ 最初の難関は「一筆目」

体験は絵付けからスタート。
素焼きの湯呑に“自由に描いていい”と言われても、自由すぎて逆に困る。
何を描けばいいのか、最初の一筆がどうしても出てこない。
スマホで図案を探してみるものの、出てくる画像はどれも上手すぎて、参考にするどころか気後れしてしまう。
「考えても仕方ない」と腹をくくり、器をじっと見つめて直感に任せることに。
ふと頭に浮かんだのは、シンプルな漢字の「大」。
特に深い意味はないけれど、迷うより思い切りが大事だと感じ、そのまま筆を走らせました。
■ 初めてのろくろは“土との対話”

続いて、人生初のろくろ体験。
回転する粘土の塊を前に、どれくらい力を入れればいいのか全くわからない。
ビビって力が入りすぎた瞬間、軸がぶれて制御不能。見事に失敗。
それでも「今度こそ」という気持ちが勝り、集中力が一気に高まる。
力を抜く、均等に押す、時には思い切って力を入れる——そのバランスを探りながら、土の滑らかさや厚みを手のひらで感じ取っていく。
失敗しても、また挑戦したくなる。
気づけば30分があっという間に過ぎ、ようやく小鉢のような形の作品が完成。
思い通りとは言えないけれど、確かに“自分の手で作ったもの”という満足感がじんわり広がりました。
■ 陶芸のあとに訪れた、思いがけない時間

作品ができてホッと一息ついたところで、ご主人のテツオさんから「みんなで歌おう」と声がけが。
陶芸家でありながらミュージシャンでもあるテツオさんは、地域の団体向けに曲を作ったり、子どもたちとギターを囲んで歌うこともあるそう。
参加者みんなでギターを囲み、自然と歌が始まる。
陶芸と音楽という組み合わせは一見不思議だけれど、この工房の空気の中では驚くほどしっくりくる。
土の温もりと音の響きが混ざり合う、心地よいひとときでした。
■ 「大」の文字を見るたびに思い出す

今、家にある「大」の文字を描いた湯呑を見ると、あの工房の空気、土の感触、みんなで歌った時間がふっとよみがえります。
迷いながらも一歩踏み出した絵付けの一筆。
失敗しながらも形にしていったろくろの30分。
そして、思いがけず心がほどけた音楽の時間。
ものづくりって、作品そのもの以上に「その場で過ごした時間」が記憶に残るんだなと感じた体験でした。

