2025年9月、上越で地域の旅ナカ体験コンテンツを開発するワークショップに参加しました。
そこで、東京からきた4人の大学生メンバーと6日間、上越の農村を巡り、時間を共にすることで、見えてきた地域で提供する「旅ナカ体験」に必要な要素についてまとめてみました。
彼らの感性と行動パターンは、映像的で、音楽的で、そして物語的
彼らの旅の記憶には、必ず「音」があります。というより、音があることでシーンが成立する。夕日を見ながら流れる音楽、ジャンプして写真を撮りたくなる瞬間に鳴っていたリズム。それらは彼らの感情と行動を引き出すスイッチであり、旅の演出に欠かせない要素です。
地域の体験提供者が意識すべきなのは、「音のある場面」を設計すること。静けさも音の一部ですが、彼らの記憶に残るのは、共感できる音楽が流れる瞬間です。
写真を撮りたくなる瞬間の設計
彼らは「撮りたくなる瞬間」に反応します。ジャンプしたくなる、笑顔になる、誰かと肩を組みたくなる——そんな場面があると、自然とスマホが手に取られ、記録され、共有されます。
その瞬間を生み出すには、ストーリーと演出が必要です。単なる風景ではなく、彼らの日常の延長線上にある「非日常」を感じさせる場面。そこに音と映像が加わることで、旅の一コマが彼らの中で「使える経験」として断片化され、次の行動につながっていきます。
経験の断片を共通化するコミュニケーション
大学生たちは、旅の中でお互いの経験の断片を提示し合い、それを共通化することで新しい価値を生み出します。まるで、これまで接点のなかったはずなのに、常にひとつの教室の中にいるような感覚。
旅は比較文化論でもありますが、彼らにとっては「自分の日常の感情表現」との比較が重要です。そのギャップを感じ、取り込み、断片化することで、旅の経験が「使える知識」として蓄積されていくのです。
地域のピースを見つけ、増幅する
地域のコンテンツ開発として求められているのは、その「ピース」を見つけ、増幅すること。星野ふるさとのプラネタリウムで特別に見させていただいた「昼間の星」のように、小さな点がキラリと光る瞬間に感動は確かにあります。でも、それが自ら作った映像や音と結びついていないと、記憶には残りづらい。
つまり、記録と記憶が一致すると「誰かに伝える」可能性が高くなる、「拡散可能性が高くなる」ということかと思います。
一昨日、みんなで見た夕日は違いました。そこには共感できる音楽があり、写真を撮りたくなる瞬間がありました。それは、旅の一シーンが彼らの日常の行動にハマった象徴的な瞬間だったのです。
地域の体験は、まだ小さなピースかもしれない
こうして見えてきたのは、地域が提供する旅ナカ体験の「ピース」は、まだまだ小さいということ。でも、その小さな光を見つけ、音と映像で包み込み、彼らの感性に響く形で届けることができれば——それは、旅を面白くする第一歩になるのかもしれません。









